連休に入り、レッスン室の掃除です。書棚を整理しながら懐かしい本を眺めていました。

そのひとつに「耳をひらく」という本があります。

私の恩師である故佐々木基之先生が考案された「分離唱」という音感訓練法について書かれています。ピアノで和音を弾きながら、その中の音を歌うというやり方です。

私が20代初めだった当時、ムジカノーヴァという音楽雑誌に「耳をひらくー分離唱のすすめ」という記事が連載されていました。

音楽教室の待合室でこの記事を読みながら私は胸が高鳴り、バックナンバーを読むとともに単行本「耳をひらく」を取り寄せてすぐ読み、大変感銘を受けたのでした。これがきっかけで私は東京の先生のところへ押しかけることになったのですが。写真 2016-05-01 18 18 46

「分離唱」の詳しいやり方については、いくつか注意点があるので、ここでは省きますが、これは合唱をする上でもとても役立つことで、佐々木先生の合唱団に所属していた時は、パート練習というものをやりませんでした。

常に4声のハーモニーを聴いて、その中で気持ちよくハモれる音を探るのです。ハーモニーの中に自分の声が溶け込むと、声を出しているのに自分の声が聞こえないような感じになります。

全体がよくハモると立体的な響きとなり、ひとりひとりは話声ほどの声量しか出してなくても、ずっと遠くまで届くような澄んだ響きになるのです。

毎年、河口湖で行われた合宿では、そんなことを体感し、今も懐かしく思い出します。

ピアノはたくさんの音を同時に出せる楽器で、ひとりでオーケストラのようなことも出来てしまうのです。またピアノは音を出すという点では音程も決まってますし大変簡単ですが、出している音を聴くという点では難しい方かもしれません。

分離唱をやっておくと、各声部をよく聴けるようになり、それがピアノの演奏にもプラスになりますね。

音楽の楽しさや喜びを伝えるのに、いろんなアプローチがあるかと思いますが、そのひとつとして意識しピアノレッスンでも取り入れています。